10月は、『大円の真』の相伝稽古から始まりました。
『大円の真』は通称『円真』と呼ばれています。点前としては、最高位『真の行台子』に次ぐ格のものです。道具は全て真塗りであったり、唐物であったり・・・・と大層な物達勢ぞろいです。『円真』限定の所作として、「古袱紗の三方捌き」が登場します。通常、道具類を清めるには袱紗を使用しますが、『円真』では小さな古袱紗を使用します。小さいからチマチマとした感じの所作になります。台子点前でも登場しますが、「露切り」と云う所作があります。古袱紗でチマチマと道具を清め、イジイジしているような露切りをすると、なんだか自分が小さく小さくなったような気がする点前です。
今時、唐物茶入を所持することは、財閥の令嬢に生まれるとか、大金持ちに嫁ぐとか、宝くじに大当たりするとかでもしない限り有り得ないので、本番で『円真』点前でお客様をおもてなしすることはありません。お稽古限りの点前ですが、いろいろな所作を覚えることにより、日常の所作にも参考になることが多く、楽しいです。
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