2009年8月28日金曜日

お気に入りの場所

暑い中、意を決して美術館に行って来た。
東京国立近代美術館工芸館で催されている 『おとな工芸館 涼しさを招く、こども工芸館 ?!コレクション』。開催期間が8月30日(日)までなので、ぎりぎりです。

昔々、今のように冷房設備が整っていなかった時代、人々は涼しさを感じる物を身近において、暑い夏を楽しんでいました。季節毎に建具を取り替えたり、小物を出したり仕舞ったりするのは大変ですが、気持ちよく日々を過ごすためには、大切な行事だったのではないでしょうか。おとな館では、薄物や藍染めの着物の涼味、白竹の清々しさ、銀の冷たさ、ガラスの透明感等々によって、涼やかさを感じることができました。

こども館では、ヘンチクリンな物体がたくさん展示されていて、思わずニマッとしてしまいました。一番のお気に入りは、「箱の男 (浜いさを作)」です。1辺15cm位の正方体の中で、裸んぼの男子が窮屈そうにいろいろなポーズでもがいています。50個ほどの箱の中の男は、全て違ったポーズで、いかにも箱から出して欲しそうな動きをしていて、とても面白かったです。きっと、制作中はとても楽しかったのではないでしょうか。

あまりメジャーでない東京国立近代美術館工芸館ですが、私のお気に入りの場所の1つです。同館は、1910年に近衛師団司令部庁舎として建てられ、1972年に重要文化財に指定されました。北の丸公園の緑に囲まれ、レンガ造りが映え、とても素敵です。あまりメジャーでないこともあり、良い物をたくさん収蔵しているわりには、いつも空いています。そして入館料は、一般200円、大学生70円、18歳未満と65歳以上は無料という、太っ腹な料金体系です。ついでに、私が在籍している京都造形芸術大学はキャンパスメンバーになっているとのことで、なんと無料です。こんな心地の良い空間なら、ちょこっと見て帰っても、全然惜しくないです。全ての美術館が、そうなって欲しいものです。

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