11月と云えば炉開きです。炉開きは、茶人にとっては正月のようなもので、1年の催しの中で最も重きを置かれた大事な行事と云われています。抹茶にする茶葉は、八十八夜に摘んだ新茶を茶壷に納め、半年間熟成させます。風炉から炉に変わる11月、封印された茶壷の口を切り、寝かせてあった茶葉を取り出し、石臼で挽き、初めてその年の新茶をいただくことができます。そんなことから茶人正月と云われており、あちらこちらで「おめでとうございます」と云う挨拶が聞こえてきます。
炉開きと云えば、茶花は椿と決まっているようです。10月下旬頃から、園芸屋さんには椿の苗がたくさん並べられます。切花を調達しても良いのですが、炉開きの日に丁度良い頃合の蕾でないと不味いので、難しいです。本当は、自宅庭から、その日に良い状態の枝をチョンと切って花入に飾るものだと思いますが、マンション暮らしの我が家では遥か遠い夢のようです。幸い、我が家の近くには椿を育てている園芸屋さんがあるため、あわよくば翌年以降も蕾を付けてくれることを期待して、苗を購入します。茶道に興味を持っていなかった頃は、椿と云えば椿でしかなく、1種類だと思っていました。茶道をはじめてからは、椿にも種類があることを知りました。そして、自ら苗を選ぼうとしたら、ゆうに100種類以上はあることを知り驚きました。それぞれ蕾の色・形が違い、葉の大きさや形が違い、100数十種類が並ぶと、それはそれは圧巻です。そんな中から、今年は「加賀子絞」という名前の苗を購入しました。去年購入した「宗旦」同様、可愛がって育てましょう。
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