2010年10月2日土曜日

大円の草

略して「円草」。久し振りの相伝稽古だった。

裏千家茶道には、テキスト本が世に出回っていない点前がいくつかある。師匠から弟子に、口伝、相伝されるものである。難しい点前ではあるが、テキストがないぶん、皆、必死に覚えようとするから、(上手・下手は別として)かえってスラスラと出来てしまったりもする(とおっしゃる業躰先生がおられる)。相伝稽古で何より辛いのは、長時間の正座である。アレヤコレヤとヤヤコシイ所作が多いため、どうしても一点前が長くなる。先輩・同輩の点前の見学、自分の点前稽古、正客としての稽古、末客としての稽古等々、立場を替えて稽古するとなると、1日掛かり、8時間の正座の刑に処せられることになる。稽古が終われば、自らの体重を受けていた両足はペチャンコである。

いろいろな手があって楽しい点前ではあるが、実際の茶事や茶会では、まず登場することの無い点前であることを思うと、私は、濃茶と薄茶の平点前が綺麗にできれば充分である。

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