5月21日(金)~23日(日)、建築史と空間演出を合体させたようなスクーリングに参加した。近代建築の変遷をたどり、今後の街づくりや建築物の有り様について考えよう!というお勉強である。
現時点における建築史上の「近代」とは、幕末から第二次大戦終了までと定義されている。1860年~1945年の85年間である。1860年といえば、侍がチョンマゲを結い、ほぼ全員が和装で、誰もが木造住宅に住んでいた時代である。そして、私が生まれた1960年のちょうど100年前である。たかだか100年で、何故、それまでの生活様式を捨て、洋風生活に激変したのか。この時代は、近い過去なだけに、とても身近に感じる時代でありながら、でも今とはまったく違う時が流れており、興味深い時期である。
大変大雑把ではあるが、近代建築史の概要は以下のとおりである。
・開国後、西洋文化を一気に取り入れたが、木造建築しか知らない大工が西洋風の建物を造ったので、ミョウチクリンな建物が出来上がった。
・その後、西洋から技術者を招聘し、レンガや石を組み上げる、ちゃんとした洋館が出来上がった。
・しかし、関東大震災で、レンガや石で組み上げた建物は粉々に壊れ、旧来の木造建築は焼失してしまった。
・大震災の教訓を受け、壊れない、燃えない住宅を造ろうと、コンクリート造りが推奨された。
・立派な洋風建築や洋風住宅ができたが、大戦被災により、またもや多くの建築物を失った。
・大戦後、早く、安く、大量に建築を供給する必要があり、規格住宅が広まった。
スクーリング各日ともに、夕方からは現物見学に赴いた。初日は日本橋、2日目は上野公園、3日目は横浜山手である。いやはや、今まで何気な~く見ていた建物も、説明を受け、ちゃんと観察すると、ますます魅力的である。現代の味気ない建物に比べ、なんと凝った贅沢な造りであることか。ちょっとばかり知識が増えただけで、街散策が一層楽しいものになった。お天気が良い日は、カメラを首にぶら下げてお出掛けすることにしよう。
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